打ち寄せる波、吹きつける潮風。浮かんでは消える、追憶の唄。その物語りは、生命の輝きを讃えてきた。喜びにあふれ、力強く。カモメの群れは、まぼろしの現実の狭間に戯れ、思い思いに帰路につく。すべてが、忘れ形見のように、懐かしい。沈みゆく太陽、赤く染まる遠くの島影。北方の伝統を現代的視点と優美な音楽で再現、往年の息吹と潮風を運ぶ“蝦夷紀行”。